「ご聖霊の働き」使徒11:1−18

「私たちが主イエス・キリストを信じたとき、神が私たちに下さったのと同じ賜物を、彼らにもお授けになったのなら、どうして私などが神のなさることを妨げることができましょう。」(使徒 11:17)

○異邦人への宣教という大きな使命を果たしたペテロがエルサレムに戻ってきた時、彼を迎えたのは割礼を受けている者たちの非難でした。しかしペテロは丁寧に説明します。彼を変えたのはご聖霊であり、ペテロ個人だけではなく全ての使徒たちの変化であり、変えられた使徒たちの証言に基づいて教会が形成されます。教会の存在とその全ての歩みには必ずご聖霊が働いています。教会の宣教、伝道の全ての働きには必ずご聖霊の導きがあります。

○主はご聖霊を通して直接主のみわざを成し遂げられたのではなく、教会と全てのクリスチャンをその使命の中に招かれました。人々を用いることは人が持っているそれぞれの限界とそれに伴うリスクさえも担うことを意味しています。主はただ福音を伝えるという目的を持って走っている方ではなく、その福音を信じている一人一人を深く顧みられる方です。さらに、信じている私たちが主と共に歩むことによってより深く主を知り、主の愛を感じ、主を深く信頼することによって主が用意して下さったあらゆる豊かさを味わせるためです。

○福音の伝達と教会の歩みにおいて聖書が記録しているのは、何の問題もなくスムーズに進むことではなく、あらゆる逆境の中で絶えずご聖霊に励まされて進む姿でした。教会はご聖霊によって立てられ、成長し、主の福音を証しすることを使命としています。主は教会を立てられ、教会を通して福音を伝えようとされているとき、すでにそれに伴うリスクも担っておられます。だからこそ、私たちは安心して主に聴き従うことができます。弱くなったとき、逆境に置かれたとき、私たちの力は自分自身にではなく、私たちと共にあるご聖霊にあるからです。だからこそ弱さは弱さで終わることがなく新しい力が生み出され、逆境は逆境で終わることなく、新しい希望と可能性が見出されるのです。