
2025年7月20日説教「拝むべきお方」黙示録13:15-18
「しかし、たとえそうでなくても、王よ、ご承知ください。私たちはあなたの神々には仕えず、あなたが建てた金の像を拝むこともしません。」 (ダニエル3:18)
◯「獣の数字」(13:18)とは「人間を表す数字」です。「666」はローマ皇帝ネロを指すのではないかという説が有力ですが、実際には分かりません。黙示録で、数字は象徴的に用いられることが多くあり、完全数と言われる7は何度も記されています。ですから「666」は、完全数の「7」に近いが不完全な「6」に象徴される反キリストを指すと考えられています。もっとも、竜や獣も「七つの頭」を持つ存在として登場し(12:3、13:1)、それはキリストを真似た姿ということになります。
◯獣は、「いのちの息を吹き込まれ」人を生きるものとされた(創世記2:7)、神である主の創造の御業すら真似ます。地からの獣は、海から「獣の像に息を吹き込んで、獣の像がものを言うことさえできるようにし」ました。さらに地の獣は、「すべての者」が海の獣の民であることを明確にするため「右の手あるいは額に刻印を受けさせ」ました。獣の刻印を受けた者は獣の所有物とされます。さらに「その刻印を持っている者以外は、だれ物を売り買いできないように」しました。つまり、当時のローマ帝国内において皇帝礼拝を拒む者は共同体から排除され、「苦難と貧しさ」(2:9)を受けることになりました。
◯しかし、やがて獣の刻印を受ける者は「神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた、神の憤りのぶどう酒を飲み、聖なる御使いたちと子羊の前で、火と硫黄によって苦しめられ」「昼も夜も安らぎがない」状態になります(14:9−11)。反対に、神である主を礼拝する者には「神の印」(7:3)、すなわち「子羊の名と子羊の父の名」(14:1)が額に押され(22:4)、「彼らは世々限りなく王として治める」のです(22:5)。
◯偶像礼拝とは「ただ一人の神の代わりに、また、この神と並ぶもの」に「信頼をおくことです」(ハイデルベルク問95)。それは「救いそのものを失う危険」があります。ですから私たちは、「ただ一人の真の神を、正しく認め」「心のそこからこの神を、愛し、畏れ、あがめなければ」ならないのです(ハイデルベルク問94)。
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