「主の恵みにゆだねられて」使徒15: 30-41

「パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて出発した。」(使徒15:40)

○恵みは労働の対価ではなく、救われた歩みそのもののことです。生涯をイエス様と共に歩ませていただくことが恵みです(伝道12:1)。パウロの伝道者としての働きも神の恵みです(1コリント15:9.10)。献金も献げられることが恵みであり、献げ物すら主が用意してくださり、その恵みをいただいた私たちは感謝で満ち溢れるのです(2コリント8,9章)。それは献げなければ出てこない感謝です。しかし、救われるときには私たちの存在そのもので救われます(イザヤ43:1,4)。

○教会は初めから「真理は何か」という問題に直面しますが、会議の決議によって福音がユダヤ教の枠を超えて世界に広がっていきました。問題をキリスト中心に解決していく時、良い結果となります。そして、その手紙を読んだ人々は「その励ましによって喜」び、使者として送られたユダとシラスも「兄弟たちを励まし、力づけ」、パウロとバルナバも「主のみことばを教え、宣べ伝え」続けたのです。

○ところが、教会にはもっと具体的な問題も起こりました。パウロとバルナバというキリスト教会最初の国外宣教師である二人が、第二次伝道旅行に際し、マルコを一緒に連れていくかどうかで激しい反目をしました。パウロはマルコを拒否しましたが、バルナバは優しく受け入れました。しかし、アンテオケの教会はパウロとシラスを「主の恵みにゆだね」て送り出しました。使徒の働きは、いかに主のみことばが広まり教会が形成されていったかを中心に記しています。

○教会の決定はパウロを支持していました。しかし、バルナバがいたからこそパウロも活躍するようになったのです。バルナバはその名のとおり慰めの子であったので、マルコをも受け入れたのです。そしてマルコもやがてパウロの伝道に加えられ受け入れられ(コロサイ4:10,2テモテ4:11,ピレモン24,1ペテロ5:13)、マルコの福音書を記すまでになったのです。こうして主の福音が進みます(ローマ11:22)。私たちもその中で主の御業に参与させていただきましょう。