「この救いのことば」使徒13:13−30

「この救いのことばは、私たちに送られているのです。」(使徒13:26)

○パウロの第一次伝道旅行(13:1〜14:28)です。ご聖霊ご自身に遣わされ、アンテオケ教会の断食と祈りに支えられて伝道の働きに出発したパウロ一行ですが、脱落者が出てしまいました(13:13)。本当の信仰は人間の罪に出会うところから始まります。その時、困難や争いの中で、ご聖霊の導きを受けるのです。初代教会が特別立派だったわけでもなく、パウロやバルナバが聖人君主だったわけでもありません。しかし、そのような人間を神である主はご自身の御業のために用いられるのです。やがてマルコもパウロの信頼を取り戻し(コロサイ4:10,ピレモン24,2テモテ4:11)、最初の福音書記者になります。

○この伝道の働きもただ二人で行ったのではなく、そこにもう一人、神である主ご自身が共にいてくださいました。すべてがご聖霊の御業です。孤立の中で信仰を失うかのように思うとき、そこでこそ、主の恵みを受けるのです。それぞれの賜物が生かされ機能して行く時、福音が広がっていきます。私たちを通して、「私たちに送られている」救いのことばを、いつでも語られるようにしたいものです。

○イスラエルの民を荒野に導かれた神である主が、選び、強大にし、導き出し、耐え忍ばれ、滅ぼし、遣わし、与えるのです。この生ける神である主を見失ってはならないのです。私たちを選び、導いておられるのは、この同じ神である主です。イスラエルの民が何度信仰を失っても、その度に主の助けと導きを受けました。荒野で語ったバプテスマのヨハネのように、私たち自身が低くされた時に、主は驚くべきことをなさるのです。私たちが謙遜にされるならば、主が驚くべきことをなさると信じ、いつでも主を主語にして語りましょう。